サンライズ期間

“サンライズ期間”と呼ばれる準備期間は,2022年12月に予定されているドイツのUPCA批准書寄託の翌月の1日に開始されることになっており,よって“サンライズ期間”は2023年1月1日に始まる見通しである。

サンライズ期間が始まると同時に上述のオプトアウトを宣言できるようになる。

また,サンライズ期間中は単一効特許の取得を希望する出願人のために二つの経過措置が設けられ,EPC施行規則71条3項に基づく通知が発出された欧州特許出願に対して適用される。これらの経過措置はUPCAが発効する日まで利用可能である。

単一効の早期請求

この第一の経過措置では,単一効特許制度の運用開始前でも単一効の早期請求ができる。これによりEPOが制度運用開始と同時に直ちに単一効を登録できるようになる。但し,すべての要件が満たされていることが条件である。EPOは単一効特許制度運用開始と共に単一効の登録を行い,登録日を請求者に通知する。

特許付与決定発出の遅延請求

この第二の経過措置では,EPOがEPC施行規則71条3項に基づく通知を発出した後,特許付与対象となる出願書類文言を承認する前であれば,欧州特許付与決定発出の延期を請求できる。これにより,遅延措置がなければ新制度運用開始前に特許付与となっていたはずの欧州特許も単一効請求ができるようになり,移行期間中は単一効特許を取得する機会を逃す心配がなくなる。

具体的には,出願人の請求により,EPOは欧州特許付与決定を延期し,欧州特許公報に特許付与公告が掲載されるのが単一効特許制度の運用開始日またはその直後となる。よって,この請求を行えば欧州特許の単一効が取得可能になる。

出願中の欧州特許について単一効を取得することを考えている場合には,念の為に単一効特許制度運用開始までは特許付与とならないように対策を講じること。

EPC施行規則71条3項に基づく通知がつい最近発出されたばかりであれば,些少の補正(誤記の修正など)を行うことで新しいEPC施行規則71条3項に基づく通知が発出されることになり,それから4ヶ月の期間が確保できる。また,特許付与および公開の手数料納付と請求項翻訳提出を4ヶ月の期間終了ぎりぎりまで延ばしても良い。この4ヶ月の間にドイツのUPCA批准書寄託が行われサンライズ期間が開始されれば,上述の経過措置が適用されることになる。