翻訳要件

移行期間(最低6年,最高12年)が終了した後は,欧州単一効特許の明細書の翻訳を提出する必要がなくなる。但し,移行期間中は明細書の翻訳が必要である(手続言語がフランス語またはドイツ語の場合は英語,手続言語が英語の場合はEU加盟国の公用語のいずれかへの翻訳)。翻訳文は情報提供のみが目的であって,法的効力はない。移行期間終了後は,侵害を主張する争議においてのみ翻訳が必要となる。

自然人,中小企業,非営利団体,大学,公的研究機関に対しては,翻訳費用の補償制度が設けられる予定である。

移行期間中は翻訳費用がかかることで単一効特許の総費用が,一部のEPC加盟国(明細書翻訳の必要がないDE,FR,GBなど)においてのみ欧州特許を有効化する場合に比べて高くなる可能性がある。多数のEU加盟国で有効化するのであれば,単一効特許の方が翻訳費用を節約できる。